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日常の謎、好奇心旺盛な女の子


日常生活で、何か不思議なことを見つけたら、私たちはどうするでしょうか。
大抵の場合、何か不思議なことを見つけたとしても、それを突き詰めて考え、解決しようとしたりはしないと思います。謎を解かせようとするなら、何か強引な牽引役が必要になる。ここが「日常の謎」の、「殺人事件もの」とは少し違うところですね。

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その役割を担うのが、千反田えるです。
千反田の、清楚な佇まいとは裏腹に、活発な印象を残す、大きく見開いた好奇心旺盛な目。奉太郎と読者(視聴者)は、あの不思議な目の魔法により謎の世界へと引き込まれます。

消極的な主人公


折木の「省エネ」ぶりには少し違和感を感じるかもしれません。
しかし前述のとおり、そもそも謎に対して消極的な人間のほうが普通であると私は感じます。その点で、折木のスタンスは実はかなり私たちに近いのではないでしょうか。

「古典部シリーズ」は神山高校古典部メンバーを中心にしたお話ですが、中心人物はやはり折木奉太郎です。そして、特に『氷菓』『愚者のエンドロール』では、折木の成長譚としての比重が重いように感じます。

灰色の生活、薔薇色の生活


折木は勉強にもスポーツにも色恋沙汰にも興味を示さない、「灰色」を好む高校生。
モットーは、「やらなくていいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に」。
アニメでは、彼とその周辺の色使いでそれが端的に示されます。表現方法や媒体が変わると、また違った古典部の面白さを改めて発見できます。

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さて、自身では「省エネ」を気取る折木ですが、「薔薇色の生活」を心の底から嫌っているわけでもありません。むしろ、彼の信条は千反田えるや古典部メンバーとの交流を通して揺らぎます。

「お前らを見てると、たまに落ち着かなくなる。俺は落ち着きたい。だがそれでも俺は、なにも面白いと思えない」 『氷菓』/P179

もし、座興や笑い話ですまないなにかに取り憑かれ、時間も労力も関係なく思うことができたなら…。それはもっと楽しいことなのではないだろうか。それはエネルギー効率を悪化させてでも手にする価値のあることなのではないだろうか。 『氷菓』/P180

「…お前は、お前にしかできないことがあると思うか」
あまりに問いが曖昧だった。里志は首を捻り、慎重に答えを返してきた。
(中略)「わかったよ。ホータローが映画の謎に挑む気になった理由が」 『愚者のエンドロール』/P189


成長譚


『氷菓』では、「自分は本当にこれでいいのか」と揺れ動く心、『愚者のエンドロール』では「自分の力とは何か」「それは本当に信用できるものなのか」を物語を通して自身に問いかけます。言ってみれば、青春時代には誰もが通る道と言えますね。折木の場合、性格が複雑骨折していますが(笑)

異質な人間と関わることで自分自身と対峙していく折木の姿が一つの見所ではないでしょうか。
その慎重すぎる性格のために、石橋を叩いて叩いて、ついには壊してしまうような人間です。しかし、様々な経験と挫折の末に彼は何を見るのか。ここに惹かれるから私は「古典部シリーズ」が好きなのかもしれません。

▽ ▽ ▽

謎に関しては天才的な推理能力を発揮する折木ですが、対人関係となると非常に鈍感な男です。
そのギャップに彼の面白みがあるんでしょうが(笑)

作者の米澤穂信さんは、ボーイミーツガール、ジュブナイルと呼べるほど晴れ渡った「青春」を描きません。アニメの「青春は、やさしいだけじゃない。痛い、だけでもない。ほろ苦い青春群像劇」というキャッチコピーは、この作品に広がる世界を的確に表現しているのではないかと感じます。折木奉太郎の「灰色の高校生活」を、京都アニメーションがどんな色で彩ってくれるか、楽しみでなりません。

関連リンク
TVアニメ「氷菓」 - 京都アニメーション
TVアニメ「氷菓」 - オフィシャルサイト


氷菓 (角川文庫)氷菓 (角川文庫)
(2001/10/31)
米澤 穂信

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