まだ見ぬ「世界の果て」に想いを馳せる - 『ペンギン・ハイウェイ』 森見登美彦 著 - 靴ひも

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まだ見ぬ「世界の果て」に想いを馳せる - 『ペンギン・ハイウェイ』 森見登美彦 著 このエントリーのはてなブックマーク数

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幼い頃、「ナンバープレートが黒色の車を見たら、その日不幸なことが起こる。それを防ぐには黄色ナンバーを10台見ないといけない」という都市伝説をよく聞いた。
もちろん、今となってはそんなバカなことはあるはずもないことだが、子どもながらに真剣に信じていた。アオヤマ少年には、そういった子どもらしさがある。考えは非常に知的で論理的なのに、そういう可愛さをしっかりと描いているから、ああ、子どもだなぁと感じる。

ペンギン・ハイウェイペンギン・ハイウェイ
(2010/05/29)
森見 登美彦

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カンブリア紀の海の浅瀬のような水色をした青空が広がり、カラッとした風が吹き抜ける。
魔法瓶から冷たい麦茶を注いで飲み、額の汗を拭う。アオヤマ少年の生きる世界はいつか見た光景。

知ることには快楽だけでなく、痛みが伴う。アオヤマ少年が知ることの痛みを味わうように、読者もまた読み進めることの痛みを伴う。それでも君は毎日毎日新しいことを知っていくのだろう、少年よ。

他人に負けるのは恥ずかしいことではないが、昨日の自分に負けるのは恥ずかしいことだ。一日一日、ぼくは世界について学んで、昨日の自分よりえらくなる。 (pp5)


久しぶりの王道ボーイ・ミーツ・ガール小説。まさか登美彦氏の小説で読めるとは思わなかった。
この水路はどこまで続いているんだろう、最近そんなこと考えたこともなかった。
まだ見ぬ「世界の果て」に想いを馳せる。

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