矢四郎が可愛すぎて危うく暗黒面に堕ちかけた - 『有頂天家族』 森見登美彦 著 - 靴ひも

靴ひも

Life, Music, Book, Gadget

スポンサーサイト このエントリーのはてなブックマーク数

Category : スポンサー広告 | on

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

矢四郎が可愛すぎて危うく暗黒面に堕ちかけた - 『有頂天家族』 森見登美彦 著 このエントリーのはてなブックマーク数

Category : Book | on


有頂天家族 (幻冬舎文庫)有頂天家族 (幻冬舎文庫)
(2010/08/05)
森見 登美彦

商品詳細を見る

「面白きことは良きことなり!」が口癖の矢三郎は、狸の名門・下鴨家の三男。宿敵・夷川家が幅を利かせる京都の街を、一族の誇りをかけて、兄弟たちと駆け廻る。が、家族はみんなへなちょこで、ライバル狸は底意地悪く、矢三郎が慕う天狗は落ちぶれて人間の美女にうつつをぬかす。世紀の大騒動を、ふわふわの愛で包む、傑作・毛玉ファンタジー。

ある引退した天狗が、出町商店街の北にあるアパート「コーポ桝形」に住んでいた。

この冒頭一節にやられてしまった。笑った。切なくなった。そしてホロリときて、また笑った。

この前に読んだ『四畳半神話体系』はギミック的な面白さとストーリー自体の阿呆加減が絶妙でしたが、この『有頂天家族』はそういったギミック抜きに、ストーリーだけで読ませる力を持っている。いや、登美彦氏の場合、ストーリーでもギミックでもなく、文章で読ませる、というかなり技術を持った作家さんだと再確認しました。

たとえ涙が滲んでも、それでもなお誇るところに、我ら兄弟の面目があると知れ。


京都を縦横無尽に駆け回る下鴨兄弟と、どこか憂いを持った赤玉先生、つかみ所のないふわふわした弁天様、その他毛玉多数、キャラクターの愛らしさが作品の世界観を形成するに当たって多いに役立っています。ふと気を抜いた隙に「ポコン」と化けの皮が剥がれる瞬間はたまらなく愛くるしい。「金曜倶楽部」に慌てふためく毛玉たちなぞ、筆舌に尽くしがたい。食べちゃいたいくらいに愛くるしいのです!

特に四男、矢四郎の可愛さたるや、危うく暗黒面(ダークサイド)に堕ちかけましたからね。読み終わった後ぽわぽわと温かい気持ちになり、ショタコンに目覚めかける小説であります。

****

個人的には男兄弟の距離感みたいなものが非常に巧く書けてるな、と。登美彦氏には兄弟がいるんだろうか。兄弟というのは近いようで遠い、かと言って遠すぎない、本当に微妙な距離感なんです。矢一郎と矢次郎、矢三郎の互いを思いやる微妙な、本当に微妙な距離感は読んでいて身に覚えがありすぎて悶絶しました。しかし、また登美彦氏を追いかけたくなった。書く阿呆に読む阿呆、これもまた阿呆の血のしからしむることであります。

関連記事

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://bouncelife.blog119.fc2.com/tb.php/789-754c3fdd
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。