大自然と人とロマン - 『人間の土地』 サン・テグジュペリ 著 - 靴ひも

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人間の土地 (新潮文庫)人間の土地 (新潮文庫)
(1955/04)
サン=テグジュペリ

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“我慢しろ……ぼくらが駆けつけてやる!……ぼくらのほうから駆けつけてやる! ぼくらこそは救援隊だ!”
サハラ砂漠の真っ只中に不時着遭難し、渇きと疲労に打克って、三日後奇蹟的な生還を遂げたサン=テグジュペリの勇気の源泉とは……。職業飛行家としての劇的な体験をふまえながら、人間本然の姿を星々や地球のあいだに探し、現代人に生活と行動の指針を与える世紀の名著。

ぼくら人間について、大地が、万巻の書より多くを教える。

サン・テグジュペリというと、ほとんどの人がまず思いつく作品は 『星の王子さま』 でしょう。『星の王子さま』 や、この 『人間の土地』 は彼自身の職業飛行士だった頃の実体験を基にして書かれた著作です。まだまだ人間が空を飛ぶということが一般的でなかった時代、ともすればそれは人々が空への憧れを抱いていた時代。サン・テグジュペリは職業飛行士として様々な人と出会い、砂漠で 3 日間遭難し、奇蹟的に生還するという過酷な経験を通して、人間の本然とは何かを考える。

哲学書とカテゴライズしてもいいでしょう。彼が壮絶な体験から考えること、そしてそれを紡ぐ文章は、ときに幻想的に大自然の美しさを賛美し、ときにその過酷さを僕たちに生々と伝えてくれる。

救いは一歩踏み出すことだ。さてもう一歩。そしてこの同じ一歩を繰り返すことだ…。

彼が文中繰り返す 「責任」 という言葉は非常に重い。それは自分自身に対するもの、自分を取り巻く人間に対するもの、そして人間であるということに対して。その上で 「死を軽んずることをたいしたことだとは思わない」 と発言する。これは非常に面白い。他人から見れば見下されるような仕事、しかしその仕事に何よりの使命感を感じて取り組むこと、責任を持つこと、彼はそんな人を 「勇者」 と表現する。

しかし、ここで何より驚嘆するのは、地球の丸い背中の上に、磁力のある卓布と星々のあいだに立つ人間が存在して、この星の雨が、鏡に映るように、そこに映し出されたということだ。鉱物の累積の上では、夢は奇蹟の一種だ。

著者自身が砂漠で遭難する 「砂漠のまん中で」 が中心になると思いますが、「飛行機と地球」 で描写される地球の姿や砂漠の姿は、僕たちが宇宙船地球号の乗組員にすぎないことを改めて実感させてくれる。体温が 1 ℃上がっただけで人間は自由を奪われる。渇きは人間から生きる希望を奪う。だからこそ人は自然の力に策を巡らす。人間本質への探求だ。悲しみさえも、それは生命へとつながっている。

****

文庫版の表紙絵を見て気づいた人もいるかもしれませんが、表紙とあとがきを宮崎駿が手がけています。彼の飛行機バカっぷりは一読の価値ありです。ちなみに 「スタジオジブリ」 の 「ジブリ」 とはサン・テグジュペリが乗っていた飛行機から取られたものだとか。10 年後くらいにもう一度読んでみたい素晴らしい 1 冊。


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