【書評】 『超ダイジェスト これならわかる!郵政民営化』 松原聡・著

2009.09.25 [ Edit ]

超ダイジェスト これならわかる!「郵政民営化」超ダイジェスト これならわかる!「郵政民営化」
(2005/11)
松原 聡

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確かにこれならわかる!「郵政民営化」。※ただし推進理論に限る。
「超ダイジェスト」 とあるだけあり、図が盛り込まれていて分かりやすい。専門用語はあまり使わず、使ったとしても注釈を設けてあって読みやすい。今の僕は、色んな情報を頭に入れすぎて整理が出来ていない状況だったので、こういうときには初心者向けの分かりやすい本を読むと整理しやすい。ただ、初心者向けなので細かい法令や踏み入った論述はほとんどない。

これを読んでいて一層感じたのは、自分にとっては身も蓋もないことで、つまり郵貯・簡保が完全民営化されていない現状でイコール・フッティングがどうのって議論はどうなんだろうという点。確かに金融 2 社は銀行法や保険業法からは特例として優遇されているものの、完全民営化されればその法律は適応されるし、民間とある程度同じ土俵にはなるだろう。 それを適応される前 (移行期間中) に議論するというのは、少し違うかなぁとも感じた。
でもこの本はけっこうトンデモ本の部類に当たるかもしれない。
例えば、金融 2 社が保有する国債を市場に放出すれば市場金利が暴落するという懸念に対してこの著者はこう答えている。

それを避けるには、一つしか方法がありません。

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2017年までに、日本の財政再建を果たし、国債マーケットを緩和させておくのです。

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この丸投げ具合には笑えた。この状況がなんともならないから日本中が頭を抱えている状況なのに。他にも色々と気になるところはある。

  • 巨大な資金が民間に流れる危険性を書いていない
  • 郵便局は民営化後も維持可能と主張 (収入源の議論は皆無)
  • 株の買い戻しを 2017 年を基準に考えている

一例を書くと、完全民営化後、郵貯銀行が不採算郵便局からの撤退を考えた場合、郵貯に向けて地域貢献基金を補助金として出すから維持は大丈夫というけども、それは公的資金注入と見られても仕方ないだろう。そうなれば 「暗黙の政府保証」 は健在ということを、政府自ら示す形となることは避けられない。

等々、ケチをつけようと思えば 8 割方の主張にケチがつく。しかし初心者向けには非常に分かりやすく、今問題となっている事柄については理解が可能だろう。

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