【書評】 『どうなる 「ゆうちょ銀行」 「かんぽ生保」』 滝川好夫・著
2009.09.23 [ Edit ]
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まずこの著者は郵政民営化に反対の論者。とは言うものの、頭ごなしに 「ここがダメだ!」 「あれがダメだ!」 と否定から入らず、まずは基礎となる制度や法令の整理から重点的に書かれている。特に第二章から第五章までは郵政民営化委員会の意見や、民間からのヒアリングの内容も細かく書かれている。そこから生まれてくる著者の持論も論拠となる法令があることから、ある程度の説得力はある。
論点的には僕の考えと似ている気がした。郵政の事業形態については郵政公社時代がベター、且つゆうちょ・かんぽは完全民営化という視点(つまり現状の原口案)。でもそうなると公社時代の “どんぶり勘定” と揶揄された経営に逆戻りと言う意見もある。これには積極的な情報開示、ガバナンス面における適切な内部統制システムの確立や業務遂行におけるコンプライアンス態勢の整備が重要になるだろう。
やっぱり重要になってくるのは以下の点。
- 民業圧迫とならないイコール・フッティングの確立
- 「暗黙の政府保証」 の存在 (官の衣を着た民間企業)
- 一般人のパーセプションの問題
- 各継承会社間の健全なリスクヘッジの確立
ただこの人は断言を避けるというか、直接的な言い回しを嫌っているのか、そういった意味で曖昧な点は多々ある。それに国債、財投機関債、財投債に関する議論もあまりない。その議論を差し置いて、「企業価値を上げろ!上げろ!」 と言われても困る部分はある。でも 「全て小泉の陰謀論」 みたいな 2ch 脳が言いそうなことは言っていないので、全てにある程度の現実味はある。
専門用語の解説も細かく、図を引用することで直感的に分かりやすい。なかなかオススメの一冊。
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