【ネタバレ】 『愚者のエンドロール』 米澤穂信・著

2009.06.20 [ Edit ]

愚者のエンドロール (角川スニーカー文庫)愚者のエンドロール (角川スニーカー文庫)
(2002/07)
米澤 穂信

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あらすじ (Amazon.co.jp)
君しか、解けない――〈スニーカー・ミステリ倶楽部〉第4弾!
文化祭の準備に追われる古典部のメンバーが、先輩から見せられた自主映画。廃屋で起きたショッキングな殺人シーンで途切れたその映像に隠された真意とは!?ちょっぴりホロ苦系青春ミステリの傑作登場!

物語と時間軸は前作 『氷菓』 からそのまま続いている。前作は一学期〜夏休み初めの間の出来事、そして今回は夏休み後半〜二学期初めまでの出来事を描く。

焦点となるのは文化祭に出展される自主制作映画。内容は当然ミステリーだ。これが中途半端な形で終わってしまう。ではこの続きに来るべき物語とはどんなものなんだろう、と古典部が孤軍奮闘するというお話。

前作に比べるとミステリー要素がかなり強くなっているなぁと感じた。著者があとがきで書いているように、バークリーだクリスティだといった古典を元に書かれているらしいけど、そういったモノに造詣がない自分でももちろん楽しめる作品に仕上がっていた。

やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に。

やっぱり米澤さんは地の文が面白い。この前読んだ作品が翻訳モノということで、ちょっと固い日本語を読んでいたせいか、米澤節はストレートにコチラに入ってきた気がする。

面白いのは構成にもあった。今まで天賦の才を見せ付けていたホータローの推理だが、ココに来て壁にぶち当たることになる。そこから展開を一転させるプロットの妙というのはさすが米澤さん。読者を最後まで離さない。でも今回のラストはちょっと不完全燃焼な気もする。ただそこから生まれる彼らの心情の変化は、まさに “青春ミステリーの旗手” お得意の描き方だった。

今回気になったのは、古典部メンバーのキャラクターもさることながら、ホータローの姉!個人的にはこの人、これからも関わってくるだろうなぁと思う。いや、そうであって欲しい (笑)。見えないストーリーテラー的な位置づけで面白い登場人物ですね (かなりネタバレだけど)。
****

クリスティーを読んでおく必要性はないけど、やっぱり前作 『氷菓』 は読んでおいたほうがいいかな。断然楽しめる度合いが変わってくる。あとは彼ら登場人物に感情移入できるかどうかという問題かな。慣れている人なら二〜三時間あったら読めます。コレは次回作に期待ですぞ。かなりオススメ。

しかしタイトルの 『愚者のエンドロール』 のネーミングは上手いですね。
そして作者あとがきの 「寿司の話」 のオチが気になっている米澤ファンは自分だけじゃないはず。

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