【ネタバレ】 『TENGU』 柴田哲孝・著
2009.05.16 [ Edit ]
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あらすじ (Amazon.co.jp)
26年前の捜査資料と、中央通信の道平(みちひら)記者は対面した。凄惨(せいさん)きわまりない他殺体の写真。そして、唯一の犯人の物証である体毛。当時はまだなかったDNA鑑定を行なうと意外な事実が……。1974年秋、群馬県の寒村を襲った連続殺人事件は、いったい何者の仕業(しわざ)だったのか? 70年代の世界情勢が絡む壮大なスケールで、圧倒的評価を得て大藪春彦賞に輝いた傑作。
やっぱり雨の日は落ち着けて良いですなぁ。雨音を BGM 代わりに一冊読了。かつて推理作家の故・松本清張が、『日本の黒い霧』 と題し、下山事件や帝銀事件などの一連の疑獄事件を回顧し、作品として上梓 (じょうじ) したことがあった。
米澤さんブームに続いて起こっている柴田さんブーム。この 『TENGU』 は未確認生物シリーズ第三弾。有賀雄二郎から道平慶一に主人公が交代されているので、有賀雄二郎シリーズとは言いがたい。でもゲスト扱いで登場するので、ニヤニヤが止まらない。
基本的な流れは今までの作品を踏襲している。プロローグで誰かが異様な殺され方をする → それを主人公が捜索 → 未確認生物の正体が明かされる、といった流れだ。
今作では主人公の捜索パートでのミステリー要素がかなりよく出来ている。今までは UMA の正体を追う、という以外にはそこまで踏み入った展開にはならなかったけど、今回、軸足は UMA 探しに置きつつ、サブストーリーが物語を一層盛り上げてくれる。
以前、この人は社会情勢ありきで執筆しているのでは?と書いたけど、上の引用の通りやっぱりその予想は大方当たっていたのかもしれない。今回もベトナム戦争、9.11テロなど色々な背景のもと書かれていた。(ただ 9.11 を登場させる意味はなかったと自分は感じたが)
この手の本は大きく二通りに分かれると思う。一つは単なる SF に留まらない作品。もう一つはトンデモ作品。この本がどちらかと聞かれれば、まちがいなく後者のトンデモ作品だ。今までの 『KAPPA』 『RYU』 では、冒頭 UMA とは言いながらも、それに相当する実在生物が登場して読者を驚かせた。読者は 「UMA以外の何者がこんな所業を為す?」 と想像を膨らませる。
だがこのラストはどうも受け入れられないな・・・。あとなんといってもドロドロとした展開。ボクはこの手の作品がかなり苦手。帯にある 「類い稀な恋愛小説」 とあるように、たしかにそうとも読めるわけだが・・・。
やっぱりボクは有賀雄二郎のハードボイルドを徹底した小説が好きだ、と再確認できました。確かに面白い作品だったけど、ちょっとな・・・。まぁ、ボクには合わなかったというだけだろうけど。今までの作風が好きな人には正直オススメできない。『DANCER』 も読みたかったけど、ちょっと考えようかな。来週は一週間のうち四日が休み。溜まっている作品を読みまくりたい。
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