【ネタバレ】 『ロシアン・ルーレット』 山田正紀・著
2009.04.26 [ Edit ]
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あらすじ (Amazon.co.jp)
現実と幻が交錯するホラー・サスペンス。若き刑事が乗ったバスは転落する運命にあった。だが謎の女が告げる。「いい人間だけが助かる」と。嵐の中、生者と死者、愛と絶望が交錯する。妖しく切なくサスペンスフルな、実力派作家の会心作!
久しぶりに恐い小説を読んだ。この小説はジャンル分けするとどこに属するんだろう。著者が最後のあとがきで上のように表現している通り、この小説はかなり実験的な手法で書かれていることが分かる。しかし後味で残るのはやはりホラー小説の一面だった。短編であって同時に長編でもある。と同時に、ホラーであって、ラブ・ストーリーでもあって、クライム・ノベルでもあって、という小説。
殺人事件発生の呼び出しで家を飛び出た主人公の群生蔚 (むろうしげる) は相楽霧子という女性を目撃する。しかし実際そんなことが起こるはずがない。なぜなら彼女はこの夜殺された被害者なのだから。この辺から山田正紀ワールド全開だ。
彼女に導かれるようにバスに乗り込んだ主人公は彼女から、このバスが崖から転落し乗客全員が死亡することを予言される。生き残るのはただ一人、「いい人間」 のみ。「いい人間は死んだ人間だけ。人間なんかどいつもこいつも生ゴミだよ」 と繰り返す。
ココから主人公の 「いい人探し」 が始まる。一見善人そうに見える乗客たちも霧子の超能力によりその内側を覗いてみると・・・。霧子のフィルターを通した世界は果たして現実なのか、それとも幻想なのか、読者は読むにつれて 「現実」 感覚が麻痺していってしまう。やがて語り手の群生自身にも黒い過去が見え隠れし始める。バスが行き着くのは・・・地獄?それとももっと恐ろしい世界・・・。
「想像できないことを想像したい」 という山田正紀さんには一貫したテーマがある (?) のか著作にはアイデアが溢れている (『火神を盗め』 『神狩り』など)。この作品にも面白いアイデアがふんだんに盛り込まれていて、例えば幽霊の存在理由を論じるシーンなんかは非常に面白い。
現実と幻想の間を行ったり来たりするという異様な空間は、正直読む人を選ぶと思う。人によっては冒頭数項で 「あ、コレはダメだ」 と感じる人もいるだろう。しかし帯に恩田陸さんの 「山田正紀は、ついにエンターテイメントまで溶かしてしまった」 という言葉からも分かるように、著者は全く新たなジャンルを構築していると感じられた。バス転落までのロシアン・ルーレット。実弾は登場する話のどこかに込められています。
(しかしカバーに群生?と思われる人影が写っているように感じるのだが・・・)
Comment
それも一つの書き方じゃんw
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迂闊に俺のフィーリング全開の読書感想記事書けないじゃない…