【ネタバレ】 『氷菓』 米澤穂信・著

2009.04.18 [ Edit ]

氷菓 (角川スニーカー文庫)氷菓 (角川スニーカー文庫)
(2001/10)
米澤 穂信

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あらすじ (Amazon.co.jp)
いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。

米澤さんの記念すべきデビュー作品にして、読者に米澤にして 「さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ」 あり!と印象づけた作品だと感じました。デビュー作ということもあってか、流れがちょっとぎこちない箇所が目立ったりもしていますが、やはり読みやすい。なんだろうな、コレはやっぱり相性みたいなものもあるのかもしれない。

この作品は 「古典部シリーズ」 の第一作であり、主人公の折木奉太郎と古典部メンバーが彼らの通う高校を舞台に起こる謎を解決していくという、まぁありがちと言えばありがちな設定。小粒な事件が数個起こるんだけど、それにもラストへの伏線を張りながら読者をリードしていくというのが大まかな流れ。

で、面白いのは殺人事件が一切起こらないところ。謎、といってもカワイイ謎が続く (ラストはちょっと恐い・・・) 。あとはキャラクターが立っているところ。米澤さん特有のスゴい名前の登場人物たちはみんな個性的でイキイキとしている。ホータローも若くして達観した高校生離れした学生ではなく、妙に物分りがよかったり (もう少し偏屈を徹底していても面白いかもしれないけど) そういう描き方は好きだな。

他力本願なメンバーによって最初は仕方なく謎を解いていって、結果的にドップリ謎に浸っている、というホータローの描き方は言ってしまえば青春モノの王道とも言えるかもしれない。この作品は青春時代が薔薇色だった人も、たとえそうとは言えなかった人にも読んでもらいたい。序盤と終盤では明らかに人間性に差が出始めているホータローにも注目したい。これからの作品で彼らがどう成長していくのか見守っていきたくなる作品です。最後に、やっぱり米澤さんは地の文がメチャメチャ面白い。必読です。

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