2010年11月 - 靴ひも

靴ひも

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米澤穂信 講演会 in 大谷大学『紫明祭』 このエントリーのはてなブックマーク数

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米澤穂信先生の講演会に参加してきました。
今回の講演は大谷大学推理小説研究会の皆さんが学園祭に合わせて企画されたもので、少し司会進行に難があったものの、素晴らしい時間を過ごせました。今回の講演会は事前に質問を受け付け、そこに出された質問を当日先生に質問し、答えてもらうという一問一答形式でした。気になったものを一部抜粋。

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小説家になろうと思ったきっかけは


子どもの頃から物語を創るのが好きだった。気が付くと、小説家、物語を創る仕事を一生の仕事にしていくことに違和感がなくなっていた。

影響を受けた作家


最初に読んだミステリーは綾辻行人。一番最初に読んだものはクリスティーだが、日本人となると綾辻行人。中学時代はひたすら読んでいた。

ミステリのアイデアはどこで思いつくのか


パッと思いつくものもあれば、ひたすら考えて出すものもある。例えば、『春期限定いちごタルト事件』という作品の中の『おいしいココアの作り方』はパッと思いついたものの代表例。あれは実際に自身がやったことで、「これって他人が見たらどう作ったか分からないだろうな」と思って、自動的にミステリが作られた。他にも『夏期限定トロピカルパフェ事件』という作品の『シャルロットだけは僕のもの』もパッと出てきた。パッと出てきたものと考えて出したものの優劣はあまりない。

登場人物はどうやって書いているのか


登場人物になりきった状態で心理テストを受けて作ることがある。「あなたはどういう人間ですか」という質問も、最初のうちは答えられるが、数を重ねるうちに答えられなくなる。そこで「この質問にはどう答えればいいのか、登場人物ならどう答えるか」を真剣に考えるようになる。それを30問続けると、そのキャラクター像の外枠がある程度出来ていく。

自身の学生時代について


高校時代は部活三昧だった(弓道部)。高校の文化祭でミステリーを題材にしたビデオ映画を作ることになり、綾辻作品を読んでいたことから初めてミステリーを書くことになった。ちなみに毒殺ものとダイイングメッセージもの、逆説ものを組み合わせ色々なロジックを駆使して解くという作品だった。大学時代は引きこもってひたすらミステリーを書いていた。専攻はユーゴスラビア。

今までで一番面白いと思った作品


暫定一位ではミルシャ・エリアーデの『ムントゥリャサ通りで』と、フアン・ルルホの『ペドロ・パロモ』。この二作品は自分の読解力では読み切れないところがある。これ楽しかったなあ、という作品では久生十蘭の『魔都』という作品。

本格ミステリーとは


読者と作者がフェアでプレイしているとして、本格ミステリーの場合、読者が負けることを期待している。この部分が本格ミステリーの非常に面白い部分である。自分の場合、作者が読者を叙述トリックで騙すのではなく、作者の代理人である犯人が読者の代理人である探偵を騙すものが好き。

なぜ殺人を扱った小説をあまり書かないのか


デビュー作が日常の謎を扱ったものだったから。次に全く違ったものを書くと「日常の謎を扱った作家」というイメージが付かなくなる。もう一点、ホームズ作品が好きで、ホームズの作品は意外に人が死ぬ作品が少ない。だから必ずしも「ミステリー=死」というイメージがなかった。

スイーツ好き?


いいえ。(ええええ)

過去話について


過去話は書くと野暮になるものと書くと面白いものがあるが、書く予定はない。古典部については書きたいものもある。例えば、『氷菓』で摩耶花がなぜホータローをあそこまで嫌っているのか分からないと思うので、書くかもしれない。

映画『インシテミル』の感想


サブタイトルが付いた時点で、「これは中田監督の新作になるんだ」というスタンスでいた。中田監督の一視聴者として楽しめた。

思い入れがある作品


ターニングポイントになったのは『さよなら妖精』。ユーゴスラビア紛争は大学に入学した頃実際に起ったことで、何が起こっているのかも分からなかったし、それを知るために時間を費やした。自分にとって書くべきものだったし、ターニングポイントになった。

タイトルの決め方


パッと思いつくものと考えるものに分かれる。パッと出てきたものの例は『犬はどこだ』。サブタイトルの付いている作品があるが、あれは元々装丁デザインの一部で、続けている内に古典ミステリーのパロディ的な要素が出てきた。あれは考えていて楽しい。

ペンネームの由来


インターネット上で作品を発表していた頃、ハンドルネームが「米澤」だった。応募の際は下の名前を付けないといけなかったので、サイト名から「汎」、本名から「信」で「汎信(ほのぶ)」だった。でも読めないという指摘があり、今の形になった。

電子書籍について


小説がどうなるか、という視点から見ていない。ただ、電子書籍の普及であらゆる資料が横断検索可能になったとき、それまでは起こらなかった著作権を始めとした問題が起こるだろうと思う。料理のレシピなんかは向いているかもしれない。

登場人物の名前の由来


例えば小山内の場合、「小~」という苗字が好きで、小山内は元々小倉という苗字だった。しかし、小倉というアイドルがいることを知り、アイドルのイメージが付き過ぎるのはマズイということで急遽変更した。幼く見えるから小山内ではなく、「山内」という苗字に「小」が付くことで読みが大きく変わることが面白かったから付けたもの。

自身の考えるフェア、アンフェアとは


此処から先が解決編であることが分かるようになっていることがフェアな状態。解決編以前の情報を全て列挙すると一つの答えに行き着く、というものもフェアな状態。(恐らくこの反対がアンフェア)

過去インターネットで公開していた作品について


実は今月末東京創元社から発売予定の『折れた竜骨』という作品は過去に公開していたもののリメイク作品。

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こう見ると非常に淡々とした印象を受けると思いますが、当日は軽快でいて非常に丁寧な米澤先生のトークで笑いが絶えず、あっという間の二時間でした。先生は僕に本を読むことの楽しさを教えてくれた作家で、やはり本人も非常に面白い人でした(笑)。また、ミステリーに留まらない広い知識は流石であり、自分の読書法の適当さを反省するばかりです。当日は抽選で100名にサインがもらえたんですが、見事当選!サインをしてもらう際、面と向かって一言二言お話ししましたが、その内容については書かないことにします。これからも先生の作品を楽しみにしています。


折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)
(2010/11/27)
米澤 穂信

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